FXにおけるフィボナッチの考え方・使い方を徹底解説!【テクニカル分析】
FXにおいて相場分析を行う方法は様々です。
状況や手法によって、分析方法を使い分けたり、組み合わせたりする人もいるでしょう。
初心者のうちは、どの分析方法を使えば良いかわからない人も多いと思います。
今回は、有名なテクニカル分析であるフィボナッチについて解説していきたいと思います。
FXでフィボナッチ分析が重要である理由
相場の分析方法は、2種類に分けられます。
1つはテクニカル分析、もう一つはファンダメンタルズ分析です。
テクニカル分析は、価格や値動きをもとに分析する方法です。
ファンダメンタルズ分析は、世界情勢や各国の経済指標をもとに分析する方法です。
テクニカル分析を行うためのツールのことを、テクニカル指標といいます。
主にトレンド系とオシレーター系の2種類に分けられます。
簡単に言うと、トレンド系は価格の方向を表す指標で、オシレーター系は相場の過熱感を表す指標です。
フィボナッチは、トレンド系の指標と言えるでしょう。
フィボナッチ数列について
フィボナッチ数列とは、イタリアの数学者フィボナッチによって紹介された規則性のある数列のことを言います。
自然界のあらゆる部分でこの規則性が存在しています。
植物の花びらや木の枝、生物の増え方や人体に関してもフィボナッチ数列が存在しています。
さらには、人間のDNAの螺旋構造や宇宙の渦にまでフィボナッチ数列が当てはまるのです。
FXチャートにおいてもフィボナッチの規則性で価格が動いていく瞬間が多々あります。
過去チャートを分析してみると明らかです。
フィボナッチを使ったテクニカル分析は、相場において優位性があると言えるでしょう。
フィボナッチ比率をFXに利用する方法・使い方
フィボナッチ比率とは、フィボナッチ数列を比率に表した数字で「0.236」「0.382」「0.618」と言った数字が算出されます。
この比率をFXに応用していきます。
①「押し目」と「戻り」を予測する
押し目とは、FXチャートにおいて上昇している価格が一時的に下がることをいいます。
戻りとは、下降している価格が一時的に上がることをいいます。
フィボナッチ比率によって、押し目と戻りがどこで反発するかを予測し、押し目買い、戻り売りをすることを行います。
②トレンド転換を見極める
トレンドとは価格の方向性を意味します。
一定時間または一定期間、価格が上昇していることを上昇トレンドといい、下降していることを下降トレンドといいます。
また、同じ価格帯を行ったり来たりし、ボックスを形成する状態をレンジといいます。
FXチャートは上昇トレンドと下降トレンドとレンジが繰り返し発生することにより形成されています。
フィボナッチ比率により、トレンドが転換するタイミングを予測し、次のトレンドが発生する初動にエントリーを行います。
③サポートラインやレジスタンスラインとして見る
サポートラインとは、下降する値動きが、ある一定の価格帯で何度も反発し、下支えされる事で発生する水平線の事をいいます。
レジスタンスラインとは、上昇する値動きが、ある一定の価格帯で何度も反発し、抵抗帯となることで発生する水平線のことをいいます。
この2つのラインを、フィボナッチ比率によって予測します。
ラインでの反発を期待したエントリーや、決済の目安として使われます。
④逆張りで使う
逆張りとは、現在発生しているトレンドとは逆向きでエントリーすることをいいます。
フィボナッチによりトレンドの終了を予測し、逆張りで次のトレンドの初動を狙います。
フィボナッチリトレースメントの概要と引き方
フィボナッチ数列を用いた分析方法にはいくつかの種類があり、その中でも1番有名なフィボナッチリトレースメントについて説明していきます。
フィボナッチリトレースメントは、簡単に言うと「押し目と戻りを予測する分析ツール」になります。
分析と聞くと難しく感じる方もいるかもしれませんが、使い方は簡単で、チャート上の高値と安値を1本の線で結ぶだけなのです。
結び方には厳密なルールがあるわけではなく、ローソク足のヒゲ先でも実体でも構いませんが、ルールの統一は必要です。
フィボナッチリトレースメントの基本的な引き方について説明していきます。
①トレンドが発生したことを確認
直近の高値(安値)を更新した場合を、トレンドの発生と判断します。
②トレンドの高値と安値を結ぶ
トレンドの発生を確認したら、発生したトレンドの高値(安値)とその起点となった安値(高値)を結びます。
③5つの比率に注目する
結んだ直線の「23.6」「38.2」「50」「61.8」の比率まで押し目(戻り)が達したら反発する可能性があります。
ただし、どの比率で反発するかの断定はできません。
あくまでその数値で反発しやすく優位性があるという分析になります。
反発した価格が「161.8」まで達すると、今度は逆向きに反転する可能が出てきます。
この辺りで決済や逆張りの目安と考えます。
フィボナッチリトレースメントの注意点
ここでは、フィボナッチリトレースメントを使用する際の注意点について解説します。
①短いローソク足の分析には気をつける
トレンドを把握する際には、ローソク足の時間が長いチャートの方が有効です。
短い時間足の場合、予測しにくい値動きが現れることが間々あります。
最初のうちは、1時間足以上の比較的長い時間足を使ってフィボナッチ分析を行ってみましょう。
②他のテクニカル指標と組み合わせる際、複雑にしすぎないようにする
他にも数多くのテクニカル分析がありますが、組み合わせる事で、より優位性を上げる事も可能です。
しかし、組み合わせる事で複雑になり過ぎない事が重要です。
また、組み合わせたからといって、上手くいく保証もありません。
組み合わせた事で、迷いが生じる事もありますので、まずはフィボナッチ単独での分析を行って、慣れてきたら徐々に別のテクニカルを取り入れるなど、分析が複雑にならない工夫を取り入れましょう。
③フィボナッチの起点を固定しない
値動きによっては、高値と安値を引き直すことが必要になってくる事もあります。
間違った引き方では機能しません。
大勢の人が見て、明らかにわかりやすい高値安値で引かなければ機能しないのです。
④フィボナッチは絶対ではない
全ての分析ツールに言える事ですが、相場に絶対はありません。
失敗と判断すれば、感情に惑わされずルール通りに損切りをするようにしましょう。
フィボナッチリトレースメントを使った手法
シンプルなフィボナッチリトレースメントの手法の一例を紹介します。
本記事では、「ダウ理論」と言う法則をもとに、フィボナッチリトレースメントを使う方法をお伝えします。
ダウ理論とは、相場の規則性についての考えです。
その理論の1つに「トレンドは明確な転換シグナルが現れるまで継続する」というものがあります。
「ダウ理論 × フィボナッチ」手法①
トレンドが発生したら、わかりやすい明らかな高値(安値)とその起点を結び、フィボナッチ比率50の押し目(戻り)でトレンド方向にエントリーします。
フィボナッチ比率0で損切り、フィボナッチ比率100で利確します。
「ダウ理論 × フィボナッチ」手法②
トレンドの高値(安値)の起点となる安値(高値)を押し安値(戻り高値)といいます。
押し安値(戻り高値)をトレンド方向と逆向きに更新した場合を、転換シグナルと考えます。
転換シグナルの値動きの、押し目(戻り)の比率50でエントリーします。
フィボナッチ比率0で損切り、フィボナッチ比率161.8で利確します。
フィボナッチ数列を用いたその他指標は?
①フィボナッチタイムゾーン
価格ではなく時間軸に対して焦点をあて、期間におけるトレンドの転換を予測します。
②フィボナッチアーク
円形の描写によって、価格と時間の両方から押し目と戻りを予測する方法です。
③フィボナッチファン
トレンドの転換を予測するツールです。
大きなトレンドに対して、そのトレンドの勢いや転換するタイミングなどの予測に役立ちます。
④フィボナッチチャネル
チャネルラインにより、値動きを予測するツールです。
方向性や押し目や戻りの予測、サポートラインやレジスタンスラインを用いた手法にも役立ちます。
⑤フィボナッチエクスパンション
トレンドがどこまで続くかを予測するツールです。
決済の目安や、逆張りの材料としても役立ちます。
どのフィボナッチ分析が1番良いか悪いか、というのは特にありません。
自分の手法や相場に合わせることが重要です。
ただし、相場に絶対は無いし、必ず勝てる手法などは存在しないことを理解しておくことが重要です。
あくまで優位性を見極める為のツールなのです。
FXにおけるフィボナッチの考え方・使い方のまとめ
フィボナッチはシンプルでありながら奥が深く、また謎が多く神秘的な要素もあります。
数字だけでは説明が付かない部分など、考えれば考えるほど、より強い力が作用しているのではないか、と思わされます。
ぜひ今回の記事を参考に、ルールづくりをしてみてはいかがでしょうか。