FXのプライスアクションとは?ローソク足を分析し、負けないためのトレード手法を解説
FX初心者のうちは、どうしてもテクニカル分析だけに目が行きがちな傾向があります。
しかし、たくさんのテクニカル指標をチャート上に並べても勝てない事は上級者なら誰もが知っています。
テクニカル分析だけでなく、ローソク足を理解し、プライスアクションに注目する事で相場心理が見えて来ます。
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析と同様に、非常に優位性のある判断材料となります。
今回はプライスアクションについて解説していきます。
プライスアクションとは?
プライスアクションは、「プライス(値段)」の「アクション(動き)」、すなわち“値動き”を意味します。
値動きを分析し、相場状況を判断していく事はトレードをする上で非常に重要です。
具体的には、相場の重要な局面で見られる値動きの変化から、相場参加者の心理や思考を読み取りトレードに役立てます。
プライスアクションを知っておく事で、相場状況の把握がしやすくなり、相場での応用力、臨機応変な対応力が身につきます。
プライスアクションの基本の「き」:ローソク足の重要性
プライスアクションを相場で利用するには、「ローソク足」についての理解を深めることは避けては通れません。
日足のローソク足には、その日損失を出した投資家の焦燥や絶望、または利益を出した投資家の優越感や油断が反映されています。
プライスアクションはそうした投資家の心理状況を、ローソク足一本一本を見ながら読み解く必要があります。
例えば、大きなヒゲを付けたローソク足ならば、一度ヒゲ先までプライスが動いたが戻ってきた、という事実がプライスアクションとなっています。
そこから短期的に状況を読み取ると、ヒゲ先のプライスでエントリーした多くの相場参加者が、戻されて含み損を抱えている、とローソク足から読み取る事が出来ます。
ヒゲ先のプライスで含み損を抱えてしまった人は、更なる含み損の増大に恐怖を感じている状態と推察出来ます。
恐怖を抱えた人たちがどこで損切りするかを考え、自分のエントリーの判断材料にしていきます。
このようにプライスアクションには、人間の心理が数多く反映されています。
値動きの加速や停滞、方向の転換など、きっかけとなりやすい値動きを見つけていく事で、「後出しジャンケン」を仕掛けるようなイメージでプライスアクションを分析します。
ローソク足の原則を理解しよう
サポートエリア(支持帯)となる価格帯
サポートエリアでは、値下がりを下支えするような値動きとなります。
過去の安値や、上昇のトレンドライン、価格の下で推移する移動平均線、などがサポートエリアを形成することが多いです。
サポートエリアを形成した場合、サポートエリアからエントリーを狙いたいと思う相場参加者が多くいると想像できます。
さらにそこからの値動きで、大勢の相場参加者の心理を推察します。
そして、サポートエリアをプライスが割った場合、多くの相場参加者が含み損を抱える事となります。
含み損を抱えた人たちが、どの様な心理でどの様な行動を取るかを推察し、エントリーの判断材料とします。
レジスタンスエリア(抵抗帯)となる価格水準
レジスタンスエリアでは、値上がりを押しとどめるような値動きとなります。
過去の高値や下降するトレンドライン、価格よりも上で推移する移動平均線、などがレジスタンスエリアを形成することが多いです。
サポートエリアを下抜けた価格は、今度はサポートエリアだった価格水準を上抜くのに抵抗を受ける事が多く見受けられます。
サポートエリアは下方向にブレイクされるとレジスタンスエリアに変わり、レジスタンスエリアは上抜かれるとサポートエリアに変わるのです。
この現象を「サポレジ転換(レジサポ転換)」といいます。
これをプライスアクションとして分析すると、サポートエリアで多くの相場参加者が買いエントリーをしますが、サポートエリアを破られ含み損を抱えます。
サポートエリアでの反発の読みが外れた人たちが損切りをします。
買いの損切りは売りなので、プライスはさらに下がります。損切り出来なかった人たちは、含み損と恐怖を抱えたまま状況を見守ります。
助かる為にナンピンし、さらに買いエントリーをしかける人もいるかもしれません。
下がったプライスが、運良くサポートエリアまで戻ってくると、含み損を抱えた人たちやナンピン買いした人たちの安堵する心理が推察出来ます。
読みが外れた人の損切り、恐怖からの解放の損切り、さらにもっと上で買いエントリーをしてしまった人の損切り、などがサポートエリアを割った事で重なり、レジスタンスエリアへと変化すると想像できます。
また、複数回ブレイクが試されて失敗するサポート/レジスタンスエリアは、その回数が増えるほど、価格に対する抵抗が強固になっていきます。
プライスアクションの反応が強く見られる価格帯に、ラインを引いて相場状況を確認すれば、相場参加者の心理が見えてきます。
ローソク足のプライスアクションを利用した「水平線トレード」は非常に有効な手法として有名です。
水平線を使ったトレードについては、下記記事で詳細を解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
プライスアクションの種類
プライスアクションは、いつも定義された通りに値動きをするわけではありません。
プライスが想定外の動きをして含み損を抱えてしまった場合は、自身が他者の養分となってしまう事を頭に入れておきましょう。
また、致命傷にならない様に、損切りルールを厳守しなければなりません。
より多くのローソク足を見て「チャートパターン」も組み合わせてトレードすると、精度を上げる事が出来ます。
チャートパターンについての詳細は、下記記事で解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
また、移動平均線など、トレンドを見分けられるインジケータを併せて利用するのもおすすめです。
プライスアクションのまとめ
プライスアクションは相場参加者の欲望や恐怖といった心理が含まれた重要な情報です。
人間は欲望や恐怖をなかなかコントロールする事は出来ません。
プライスアクションを理解し、心理を読み解く事で、一手先のチャートの動きが見えるようになるかもしれません。