FXのヒドゥンダイバージェンスとは?ダイバージェンスとの違いについても解説
FXの取引スタイルには、逆張りと順張りというものがあります。
逆張り順張りどちらにしても、その兆候を察知する事が出来れば大きな優位性となり、トレードでも負けにくくなっていくでしょう。
今回はそんなトレンドの兆候を察知する「ヒドゥンダイバージェンス」について解説していきたいと思います。
ヒドゥンダイバージェンスとは?
ダイバージェンスとは、チャートの進む方向に対してオシレーター系のインジケーターの方向が逆行している状態の事を指します。
ダイバージェンスは、通常のダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの2種類に分けられます。
ヒドゥンダイバージェンスの「ヒドゥン(hidden)」とは、「隠された」という意味があり、通常のダイバージェンスよりも分かりにくく見つけにくいものとなっています。
そして意味合いも異なり、通常のダイバージェンスが「トレンドの転換」を示唆するのに対して、ヒドゥンダイバージェンスは「トレンドの継続」を示唆すると言われています。
通常のダイバージェンスとの違い
通常のダイバージェンスは、「トレンド転換」を示唆
通常のダイバージェンスは、「トレンドの転換」を示唆すると言われ、上昇トレンドの天井または下降トレンドの底を察知し、逆張りのエントリーの参考とする事が出来ます。
逆張りとは、トレンド方向に対して逆向きのエントリーをする事を言い、順張りとはトレンド方向と同じ向きにエントリーする事を言います。
通常のダイバージェンスは、上昇トレンド時にチャートは高値更新しているが、オシレーターの波形は下降している状態、下降トレンド時はチャートは安値更新しているが、オシレーターの波形は上昇している状態、と言う逆行現象が発生しています。
ヒドゥンダイバージェンスは、「トレンド継続」を示唆
ヒドゥンダイバージェンスは、「トレンドの継続」を示唆すると言われ、上昇トレンドまたは下降トレンドの高値安値更新を察知し、順張りのエントリーの参考とする事が出来ます。
通常のダイバージェンスは、上昇トレンドならチャートの高値に注目するのに対してヒドゥンダイバージェンスは直近安値に注目します。
また下降トレンドならチャートの安値に注目するのに対して、ヒドゥンダイバージェンスは直近高値に注目します。
通常のダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの違いに混乱しないようにしっかり理解しておかなければなりません。
ヒドゥンダイバージェンスが現れるポイント
上昇トレンドの場合、「直近の安値」と「オシレーター」に注目
- 「安値が切り上がっている+オシレーターは下落」の局面がヒドゥンダイバージェンス
まずは現在のチャートのトレンド方向を把握します。
上昇トレンドの場合、安値を切り上げて価格が上昇する瞬間が現れるまで待ちます。
チャートが勢いよく上がり続けて目立った安値が見当たらない時は、ヒドゥンダイバージェンスは発生しません。
上昇したチャートが1度戻されて押し目が出来た状態になるまで待ちます。
その押し目が前回の押し目より切り上がっている状態であれば、次はオシレーターの波形を見ます。
チャートの押し目は切り上がっているのにも関わらず、オシレーターの押し目が切り下がっていればヒドゥンダイバージェンスの発生となります。
上昇に対して、時間が経過しても価格があまり下がり切らない場合にヒドゥンダイバージェンスが現れる可能性が高いです。
下落トレンドの場合、「直近の高値」と「オシレーター」に注目
- 「高値が切り下がっている+オシレーターは上昇」の局面がヒドゥンダイバージェンス
トレンド方向を把握し、下降トレンドと判断した場合、高値を切り下げて価格が下降する瞬間まで待ちます。
チャートの高値は切り下がっているのにも関わらず、オシレーターが切り上がっていればヒドゥンダイバージェンスの発生となります。
下降に対して、時間が経過しても価格があまり上がり切らない場合にヒドゥンダイバージェンスが現れる可能性が高いです。
ヒドゥンダイバージェンスを見るのにオススメのオシレーター
RSI
RSIは、「相場の買われすぎ、売られ過ぎ」を測るためのオシレーター指標であり、70〜80以上で買われすぎ、20〜30以下で売られすぎと判断出来ます。
一般的には、レンジ相場におけるトレンド転換を見るのに使われますが、ヒドゥンダイバージェンスを使ってトレンドフォローとしてエントリーする事も出来ます。
移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスなど、トレンド指標と組み合わせて使うと根拠が強くなり、相性が良くなります。
RSIは代表的なテクニカル指標であり、レンジ相場に強く、トレンド相場に弱いと言う特徴がありますが、ヒドゥンダイバージェンスやトレンド指標と組み合わせる事で弱点を補う事が可能です。
RSIについては、下記記事で詳しく解説しています。
より深く学んでみたい方はご覧ください。
ヒドゥンダイバージェンスを根拠にエントリーする際のポイント
ヒドゥンダイバージェンスを使ったトレードは、「大きなトレンドが継続する」という前提でルールを組み立てます。
この前提が崩れたときに、これを使ったトレードの失敗が確定するので、損切りラインは前提が崩れるところに置かなければなりません。
必ずエントリー前に、損切りポイントを決めておきましょう。
ダウ理論をベースにすると、「トレンドの上値下値の更新が終わってしまったタイミング」が損切りポイントとなります。
ダウ理論とは、市場での値動きを評価する理論であり、その理論の中で「トレンドは明確な転換サインが出るまで続く」と言う原則が書かれています。
つまり、明確なトレンドの転換のサインが出ればトレンドは終焉する可能性が高くなり、損切り示唆となります。
逆にポジション保有中にヒドゥンダイバージェンスが現れた場合は、トレンドの継続を示唆しているため、ピラミッディングを検討してもOKです。
ピラミッディングとは、含み益が出ている状態で追加エントリーしてロットを積み上げることをいいます。
ヒドゥンダイバージェンスの注意点
ヒドゥンダイバージェンスは、あくまでトレンド継続を「示唆する」に過ぎないため、必ずトレンドが続いて高値や安値を更新する訳ではありません。
あくまで優位性が高いと言うだけなので、ヒドゥンダイバージェンスのみを根拠としてエントリーをするのは危険です。
時間足についても長期足になるほど信頼度はアップします。
短期足では、より細かくチャートが動きノイジーな波形になったり、一瞬の急騰急落などでダマシが発生する可能性も高くなります。
最低でも30分足以上、理想は1時間か4時間足で使うのがおすすめです。
また、全てのテクニカル指標で言える事ですが、必ず勝てる手法は存在しないという事を理解しておくことが必要です。
あらゆる指標が上昇を示唆していても下降する事は多々あります。
リーマンショックやコロナショックの様なことはいつ起こるのか、誰も知る事は出来ません。
常にリスク管理をしておく事が重要となります。
ヒドゥンダイバージェンスを根拠にする場合は、想定するシナリオが崩れた場合の損切りポイントを予め決めておきましょう。
そして、大きな急騰急落に巻き込まれても、致命傷にならない程度の資金管理をしながらトレードしなければなりません。
ヒドゥンダイバージェンスのまとめ
いかがでしたか?
相場の方向性を把握し、順張りする意識はトレードにおいて重要です。
しかし、それは簡単に出来る事ではありません。
少しでも良いタイミングを感じとる手段として、ヒドゥンダイバージェンスを取り入れてみてはいかがでしょうか。