FXのダイバージェンスとは?テクニカル分析の重要な売買シグナルについて解説
全てのトレーダーは、「FXの取引で利益を得られるようにしたい」と思っているはずです。
FXでトレードを行うためには、適当にポジションを取るのではなく、チャートやテクニカル指標を利用して値動きを予想して上昇するのか下落するのか分析することが大事です。
FXはいろいろな情報を利用して分析することが可能ですが、その中でダイバージェンスを利用することもできます。
「ダイバージェンスとは何?」と疑問を感じる人もいるでしょう。
そこで本記事では、ダイバージェンスの内容を紹介します。
ダイバージェンスとは
「そもそもFXのダイバージェンスとはどういう意味なの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。
ダイバージェンスは「逆行現象」と呼ばれており、相場のチャートの動きとテクニカル指標の動きが逆行する現象のことです。
ダイバージェンスはFXのポジション決定の際に利用されることが多く、投資の手法として人気のあるやり方です。
そして、ダイバージェンスを行うときによく利用されるインジケーターにはMACDやRSIなどがあります。
インジケーターとして反応が鈍いMACDは価格の高安の波形と逆行している現象が起きやすいので、トレンドの弱まりを予測することができ、ダイバージェンスと相性が良いです。
例えば、2019年の後半に日経225の日足チャートではニューヨーク市場の新高値更新が続いたので、このまま上昇する気配を見せていましたが、MACDは弱い動きを見せました。
このように価格が高値の状況でも、オシレーターは下がり基調にあるような場合を指すこともあり、結果的にこのチャートではコロナの影響も重なり大暴落となりました。
また、ダイバージェンスは移動平均線のゴールデンクロス(デッドクロス)よりも早くサインが出やすいので、トレンドが転換しそうなときに先行指標としても活用することができます。
このように、ダイバージェンスを利用することにより、FXの取引を有利に進めていくことができると言えるでしょう。
ダイバージェンスとリバーサルの違い
ダイバージェンスを利用することで先の展開を予測しやすくすることができますが、よく似ているものにリバーサルがあります。
ダイバージェンスとリバーサルの違いは、ダイバージェンスは逆張り手法なのに対して、リバーサルは順張り手法であることです。
リバーサルもチャートで確認する部分は同じであり、ローソク足やRSIなどのオシレーター系のテクニカル指標を使用します。
ただ、ダイバージェンスが相場の反転を予測するのに対して、リバーサルはトレンドの予測を行うため、利用する手法によって全く違う結果となるでしょう。
リバーサルとダイバージェンスを利用するときは2つの特徴を確認しておくことができます。
ダイバージェンスの場合、強気な反応を示すなら下降トレンドが終了するサインとなり、弱気の反応なら上昇トレンドが終了するサインです。
リバーサルの場合は強気の反応で上昇トレンドにおける買いのシグナルとなり、弱気の反応なら下降トレンドにおける売りのシグナルとなります。
リバーサルはダウ理論でトレンドの終了を意味するため、高安の更新が崩れたタイミングで決済を行うなら、その時の最高の値で利益を得ることができます。
ダイバージェンスを見る際のおすすめインジケーター
FXでダイバージェンスを確認するためにはオシレーターを利用することがおすすめです。
ただ、オシレーターにもいろいろあるため、ダイバージェンスと相性の良いものを選ぶことが大事です。
ダイバージェンスと相性の良いオシレーターはMACDとRSIです。
MACD
MACDが相性が良いと言えるのは、ダイバージェンスの発見がしやすいからです。
MACDはRSIと比べて反応が鈍く、ダイバージェンスとして判断する際に多くの傾向をみることができます。
反応が早いとダイバージェンスとして微妙なものまで判断してしまうことがあり、結果的に「ダイバージェンスではなかった」というハズレを見てしまう可能性があります。
そのため、MACDのように反応が鈍いことでダイバージェンスとして発見しやすく、取引ポイントを決定しやすくなります。
RSI
RSIはMACDとは違い、反応の速さが特徴です。
MACDよりも反応が早いので、より多くのダイバージェンスを発見することができ、チャンスを増やすことができます。
ただ、先ほども述べた通り、微妙なものまで認識してしまう分、ダマシにも遭いやすいので注意が必要です。
利用方法としては、先にMACDを利用してダイバージェンスの特徴をつかんでから、RSIを利用することで正確なダイバージェンスを速く発見することができるでしょう。
ダイバージェンス察知のコツ
ダイバージェンスを利用するときは察知するコツをつかむことが大事です。
察知するコツをつかむことでエントリーポイントを決定しやすくでき、利益につなげることができます。
ダイバージェンスの察知するコツは、ダウ理論とサポレジラインを理解してトレードに取り入れることです。
ダウ理論
まずはダウ理論です。
ダウ理論はトレンドの転換を判断する理論のことであり、上昇トレンドの高値切り上げが終わったときにトレンド転換されると言われています。
例えば、追随期に入りそうなチャートの場合、2次調整トレンドの下降が止まるなら、主要トレンドの値動き方向に回帰していきます。
そのときに買い取引の開始を狙えます。
つまり、ダウ理論によってトレンド転換を確認できるなら、今後の見通しがある程度読めてくるはずです。
仮に、ダイバージェンス発生しているときに高値切り上げが失敗するなら「トレンドが転換されることを示唆している」と言えるでしょう。
サポレジラインで反転の可能性を探る
2つ目はサポレジラインで反転の可能性を探ることです。
サポートラインやレジスタンスラインの付近で値動きをしていると、トレーダーもチャートが反発すると予測する人が多いです。
つまり、トレンドの節目となるケースが多くなり、チャートが反転する可能性が高くなります。
逆にラインを抜けた場合は、サポレジ転換が起こり、抜けた方向へのトレンドが続くケースが多いです。
この特性を確認してインジケーターを利用すれば、ダイバージェンスによるエントリーを決定しやすくなるでしょう。
ダイバージェンス認識の注意点
ダイバージェンスの利用には注意点もあります。
ダイバージェンスの発生のみを根拠にはしない
まず、ダイバージェンスはトレンドの弱まりを知らせるサインに過ぎません。
よって、ダイバージェンスのみを根拠に絶対に反転すると断言できるわけではありません。
ダイバージェンスの動きだけを信じてトレードすると、ポジションを持った後に逆の値動きを示して損失が出てしまうこともあります。
そのため、ダイバージェンスを根拠として、取引する際は他のテクニカル分析による根拠も確認して利用しましょう。
ダイバージェンス発生中の値動きに注意
また、ダイバージェンスの間の値動きも注意する必要があります。
安値と安値の間に切り上がった安値が入っている場合、それはダイバージェンスではありません。
一部とはいえ、実際に値動きが切り上がりになってしまっているため、ダイバージェンスの動きをしていないからです。
高値の場合も同じなので、値動きはしっかり確認しておきましょう。
MACDのゼロライン転換
3つ目はMACDのゼロライン転換です。
MACDの真ん中で真横に引かれているラインをゼロラインと呼びます。
2本の線がゼロラインを上抜いたときは上昇トレンド、下抜いたなら下落ちトレンドと言われています。
ただ、ゼロラインで判断する場合、例えば売り優勢なら、安値切下げと売り圧力が継続しているなら、ダイバージェンスと呼びますが、売り圧力が途中で切れてしまった場合はダイバージェンスとは言いません。
これらの点に注意しましょう。
ダイバージェンスのまとめ
以上、FXのダイバージェンスについて内容を紹介しました。
ダイバージェンスにより取引ポイントを確認できれば、予想に応じた値動きをしてくれる可能性が高く利益を得やすくなります。
インジケーターや注意点に確認して利用を考えてみましょう。