FXのロスカットとは?リスクを抑える手法についても解説
FXで取引をしているときに、よくトラブルが起こるのが強制ロスカットです。
強制ロスカットになってしまうと多額な損失になってしまうこともあります。
高いレバレッジは、少額で大きな取引ができるため、一見良さそうに見えますが、許容リスクを超えた高いレバレッジでのトレードは、強制ロスカットの大きな原因になってしまいます。
「強制ロスカットの避け方を知りたい」
特にFX初心者ほど、大きな損失でストレスを抱え、辞めていく人が多くいます。
そうならないために書いた記事ですので、ぜひ最後までご覧ください。
強制ロスカットとは
強制ロスカットとは、FX業者に預けている金額が一定以下になるとポジションが強制的に決済されてしまうことです。
強制的に決済されることで投資家保護のため、証拠金以上の損失がなるべく出ないように、FX会社の方で自動決済してくれます。
極論を言えば、「証拠金10万円 × レバレッジ25倍 = 250万円」を取引しているときに、ロスカット制度がないと、「証拠金10万円−250万円₌−240万円」となる可能性もあります。
そうならないように、強制ロスカットという制度があるのです。
つまり、「10万円×レバレッジ25倍=250万円」の取引はできますが、証拠金10万円が消えてしまう前に強制ロスカットが入る仕組みなっています。
10万円分の取引をするより、レバレッジを掛けて取引したほうが大きな利益を出すことができますが、その代わり強制ロスカットで大きな損失が出てしまうリスクもあります。
したがって、レバレッジを大きくしてトレードをする時は、強制ロスカットにも注意が必要です。
ロスカットが発生しやすい場面
先ほどお話しした通り、強制ロスカットになってしまうと大きな損失になってしまいます。
強制ロスカットに気を付けるには「証拠金維持率」の確認が必要となります。
証拠金維持率の基準値はFX会社によって異なります。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率の計算方法について説明します。
ほとんどのFX会社は自動で証拠金維持率を計算してくれますが、ロスカットに関わる重要な数字なので、どういった原理で計算されるのかをざっくりと理解しておきましょう。
1.有効証拠金を計算する
まずは有効証拠金を計算します。
有効証拠金は、FX口座に入っている金額のことです。
正確には「有効証拠金 = 口座資金 ± 含み損益」となります。
有効証拠金は、
- 含み益が出ている状態だと増える
- 含み損が出ている状態だと減る
という関係性もあります。
下記に事例を掲載します。
残高200万円、現在の含み益が¥100,000の場合は
「2,000,000円 + 100,000円 = 2,100,000円」
残高200万円、現在の含み損が¥100,000の場合は
「2,000,000円 − 100,000円 = 1,900,000円」
2.必要証拠金を計算する
次に必要証拠金を計算します。
必要証拠金は、あらかじめ定める金額のことです。
正確には「必要証拠金 = 取引量 × 対円レート ÷ レバレッジ」となります。
1万通貨、レバレッジ20倍、1ドル100円で1ドル20通貨のポジションを立てる場合は、
「10,000円 × (100円 × 20通貨) ÷ 20 = 1,000,000円」
となります。
3.証拠金維持率を求める
有効証拠金と必要証拠金の計算が終わったら、証拠金維持率を求めていきます。
計算方法は「証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」となります。
含み益の場合は
「2,100,000円 ÷ 1,000,000円 × 100 ≒ 210%」
含み損の場合は
「1,900,000円 ÷ 1,000,000円 × 100 ≒ 190%」
証拠金維持率の計算方法について紹介してきましたが、証拠金維持率の計算は自動でやってくれるので、いちいち自分で計算をする必要はありません。
ただ、覚えておいて欲しいことが3つあります。
それが下記です。
- 含み損だと証拠金維持率が下がる
- 取引枚数を増やすことで証拠金維持率が下がる
- 取引が同条件であれば、高いレバレッジであればあるほど証拠金維持率が上がる
強制ロスカットを回避するには
自分の大事な資金が大きなマイナスになってしまう恐怖、それが強制ロスカットです。
強制ロスカットを回避するために、まずはFX会社で指定された証拠金維持率を知ることが必要です。
証拠金維持率を踏まえた上で、使用するFX会社のロスカット基準となる証拠金維持率を考えてみましょう。
ロスカット基準となる証拠金維持率
ロスカット基準となる証拠金維持率は、FX会社により異なります。
国内FX会社のほとんどは、証拠金維持率50%、または100%を基準に強制ロスカットを行っているのが現状です。
含み損の拡大が大きくなることにより、証拠金維持率が減少してしまうケースもあります。
常に証拠金維持率200%以上を維持しよう
強制ロスカットを掛らないようにするためには、どうすれば良いのか?
それは、「証拠金維持率が200%を下回らないような運用をすること」です。
証拠金維持率が200%を下回らないようにするには、下記の流れに沿った考え方が必要です。
- 必要証拠金の計算をする
- 維持率が200%となる含み損を計算する
- 維持率が200%となるトレードを計算する
- 維持率が200%を割らない位置にストップロスを設定する
1.は「ロスカットが発生しやすい場面」で紹介した通りなので、
2.から4.について紹介していきます。
強制ロスカットを抑えるための重要な考え方
証拠金維持率が200%となる含み損の計算方法は、下記のとおりです。
「証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」
口座資金が10万円の場合の計算方法は、下記のとおりです。
「200% = 80,000円 ÷ 40,000円 × 100」
上記より、維持率を200%にするために必要なのは、「必要証拠金が4万円の場合、有効証拠金が8万円以上でなければならない」ということがわかります。
口座資金が8万円の場合、含み損は2万円となります。
証拠金維持率が200%となるトレードの計算方法は、
「トレードの損益 = 値幅 × 取引量」⇒「値幅 = トレードの損益 ÷ 取引量」です。
取引量1万円に例えて計算すると、「含み損の2万円の値幅 = 20,000円 × 10,000通貨 = 2円」となります。
ドル円が2円の値下がり、つまり100円から98円に値下がりしたときに、証拠金維持率が200%になるということです。
維持率が200%となるレートより上の損切り注文も入れます。
98円よりも上に損切り注文を置いておけば証拠金維持率200%を割り込むことなく安全性の高いトレードすることができ、もちろん強制ロスカットに引っ掛かることもありません。
手順④まで開設した考えた方は1つのポジションを運用するときのもので、複数のポジションを運用したい場合は、もう少し複雑な計算が必要になります。
トレードを続けていくうちに自分の手法とリスクのバランスが肌感覚で分かってくるようになるので、まずは1つのポジションから始めてみて下さい。
強制ロスカットに最も強いトレード手法
その他、強制ロスカットに最も強いトレード手法があります。
それがスキャルピング手法です。
スキャルピングとは、超短期売買のことで数秒から数分で取引ができます。
デイトレードやスイングトレードと違い、取引の時間が短いので1日に何回も取引チャンスがあります。
取引時間が短いと利益は少なくなりますが、その分損失は少なく、ロスカットのリスクを下げることができるので、初心者の方にオススメです。
スキャルピング手法は、実際にトレードをしながら学んでもいいのですが、まずは体系的に学び、最初から実践で利益を出し続ける手法を使うのが近道です。
下記講座は、筆者が最もオススメするスキャルピング手法のコンテンツです。
スキャルピング手法について体系的に学ぶことができるのはもちろん、専用のツールを使うことができ、勝率の高いスキャルピング手法を実践することが出来ます。
上記記事で詳しく紹介していますので、一度ご覧になってみて下さい。
まとめ
強制ロスカットを避けるためには、レバレッジを大きくし過ぎないことと、証拠金維持率を200%以上にすることが重要です。
上記を意識すれば、知らぬ間にロスカットに遭ってしまうリスクが減ります。
ぜひ、ご自身のトレードに取り入れてみてください。