FXのナンピン(難平)手法とは?特徴や注意点、リスク対策方法などを解説
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「ナンピンってリスクが大きいから初心者はやらないほうがいいってホント?」
「ナンピンの仕組みが知りたい」
こんな悩みをお持ちではありませんか?
今回はそんなFX初心者に向けてナンピンの仕組みや手法などをご紹介します。
ナンピンを勉強することによって適切な場所で行うことができ、損失を減らすことができます。
ただし、FXの書籍やサイトにも書いてある通り、FX初心者がナンピンの手法を用いるのは非常に高度なため、ここでは、知識として頭に入れておくだけにしておきましょう。
FXに慣れてきたら、トレード手法の一つとして、使ってみてください。
それでは早速見ていきます。
ナンピン(難平)とは?
FXにおけるナンピン(難平)とは、現在もっているポジションに対して、相場が逆方向に流れた場合に、今持っているポジションと同じ方向に新しくポジションを持ち、ポジションの平均値を下げる取引手法のことを言います。
先ほども少し書きましたが、メリットよりもデメリットやリスクの方が大きいとされていて、安易に始めるべきではない手法とも言われています。
ナンピンは漢字で書くと難平と書き、「難を平らにする」=平均コストを下げるという意味で取得価格を平均化することを指す言葉として、広くトレーダーに知られています。
ナンピン手法の具体例
FXにおけるナンピン手法の具体例を見ていきましょう。
ナンピン手法を用いる目的は含み損が出た時に損失を平均化することで、利益を得やすくすることです。
最初に保有したポジションに対し、予想とは反対に相場が動いた時、さらにポジションを増やすことで平均コストを下げる手法です。
平均コストが下がることで、利益が出やすくなるため、有利に取引を進められることがあります。
ただ、あくまでも損失が出た時の応急処置的な対処法なので、「どうしてもこのポジションは損切りしたくない」「損失を乗り切れば利益が出る」という確固とした根拠がある場合のみの使用に限定したほうが、損失は大きくなりにくいでしょう。
具体例を挙げると、例えば1ドル=100円の相場で買いポジションを1Lot保有していた場合、1ドル=98円まで下がった時、1Lotの買いポジションを新たに保有します。
この場合、最終的には2Lotの買いポジションを1ドル=99円で保有したことになります。
そのため、相場が99円まで戻れば損失は消え、99円を超えれば利益を得られるようになります。
一見すると効率の良い手法のように見えますが、更に予想に反して1ドル=97円、96円…と損失が膨らみ最終的に損切りをすることになれば、全てのポジションに損失が発生するため、当初の想定よりも大きな損失が発生する恐れがあります。
また、予想外の方向に動いている中でポジションを増やしていくため、精神的な負担も相当大きなものになるでしょう。
ナンピンがハイリスクといわれる根拠
ナンピンがハイリスクといわれる根拠として以下のものがあります。
資金管理の難しさ
ナンピントレードで利益が出る場面としては、「相場が上昇、下降を繰り返す」、いわゆるレンジ相場であることが前提条件の一つです。
ここで考える必要があるのは、「いつ価格が戻ってくるのか」という点です。
ナンピントレードの一番の特徴は「損切りをしない」ことで利益を得ることです。
どうしても含み損が発生するたびに平均コストをさげることに執着するあまり、価格が戻るまで資金を投入し続けなければいけません。
それはすなわち、損失を増やしながら新たにポジションを増やすことになるので、それだけ含み損が大きくなり、精神的にしんどくなります。
メンタルに左右されて失敗しやすい
ナンピンには「精神面から影響を受けやすい」「心理的な負荷が大きい」という側面があります。
FX初心者の場合、最初はナンピンをするつもりがなかったポジションにも関わらず、「損切りをしたくない」という気持ちからナンピンへと走るというケースも間々あることです。
買いポジションを保有した場合において、下げ相場が続いてしまうと、その間はずっと買い増しを行うことになり、資金が無限にあればいつか相場の上昇を待てばよいものの、上昇を待たずして、いずれ資金が尽きてしまうこともあり得ます。
その後も価格が下がり続けた場面でロスカット注文が執行され、多額の損失となってしまうケースもあります。
長期保有時のスワップポイントによる損失
FX取引の通貨ペアにおいて、2つの通貨の金利調整額を「スワップポイント」と言います。
スワップポイントがプラスになるポジションであればいいですが、マイナスになるポジションの場合、値動きとは関係のない金利差によっても損失が膨らむことになるので注意が必要です。
ナンピントレードを行う場合は、通貨ペアに設定されたスワップポイントもきちんとチェックしておきましょう。
ナンピン(難平)のメリット・デメリット
ここでは、ナンピン(難平)のメリットとデメリットをご紹介します。
ナンピンのメリット
ナンピンのメリットは、購入レートの平均値を下げることができる点でしょう。
平均値を下げることによってより大きな利益を狙うことができ、結果的に含み損を緩和することができます。
ナンピンのデメリット
ナンピンのデメリットは、資金管理が難しいことです。
また、メンタル面もダメージを受けやすく、トレードルールがぶれやすくなります。
ナンピンの基本的な考え方は逆張りにあるので、機会損失を生む場合が多分にあります。
あまりに逆張りのポジションを持つと資金管理が難しくなり、最悪、強制ロスカットのリスクも高まるので、資金がカツカツのままナンピンをするとすぐにロスカットになるので気を付ける必要があります。
ナンピンが向いている相場・向いていない相場
ナンピンが向いている相場と向いていない相場について書いていきます。
ナンピンが向いている相場
主にレンジ相場がナンピンには向いています。
一定の価格帯で上下動を繰り返している場合、ナンピン手法が有効に働くからです。
ナンピンが向いていない相場
ナンピンが向いていない相場はトレンド相場です。
価格が一定の方向に進むトレンド相場でのナンピンは非常に危険です。
レンジ相場からトレンド相場に変わったと気づいたら、含み損がでていても損切りを行うことをオススメします。
ナンピントレードのリスク対策
ナンピントレードのリスク対策について書いていきます。
「移動平均線からどれだけ乖離したか」を見る
移動平均線から相場が大きく離れた場合、反発して価格が戻る可能性が高いです。
乖離幅を見るための指標として、「エンベロープ」を活用するといいでしょう。
エンベロープとは、移動平均線から上下に一定の幅で乖離させた線のことを言います。
主にチャートと移動平均線の乖離の度合いを見るのに役立ちます。
例えば、相場が上昇して上側のエンベロープに近づいた場合、「もうすぐ下げ相場に転じる」と予測して逆張りで売り注文を出すような感じで使います。
ただし、エンベロープはあくまで目安であり、必ずしもトレンドが変化するとは限りません。
トレンドが強い場合、エンベロープを上回りつつ上昇を続けたり、逆に下回ったまま下降したりすることもあります。
オシレーター指標を見る
RSIなどのオシレーター指標は、売られ過ぎ、買われ過ぎのサインとなります。
レンジ相場でナンピンをしている場合は、これらの指標が役にたちます。
RSIも、トレンド相場などでは役にたたない場合がありますので、常に使える訳ではありません。
取引ロット数を低くする
予めトレードルールの項目に「ナンピンをする回数」を入れておき、それを上回るナンピンはしないようにするようにしましょう。
最初から高ロットでポジションをもってしまうと、ナンピン本来の効き目が弱くなってしまいます。
最初は小さいロットからポジションを取ることで、含み損が出てもそれほどメンタルがブレずに済むのでオススメです。
海外FX会社を使う
海外FX会社は、設定できるレバレッジが高いところが多いです。
国内FX会社に比べ少資金でもナンピントレードを行いやすい環境になります。
スワップポイントが高い通貨でナンピントレードをする
ナンピンするものを「スワップポイントがプラスになるもの」に限定しておけば、長期ナンピンでもスワップポイントによる利益を得続けることができるのでオススメです。
ナンピン(難平)のまとめ
今回はナンピンについてご紹介しました。
ナンピンを使用する回数は極力少なくすると同時に、あくまで現在持っているポジションを活かすための応急処置だということを忘れないようにしましょう。
プロのトレーダーでもナンピンをし続けて勝ち続けているのは豊富な資金力があるからです。
資金のないFX初心者は特に、ナンピンのデメリットに着目して、メンタルを安定させてトレードに臨むことを第一に考えていきましょう。