FXのフラクタル構造とは?相場をシンプルに把握するためのチャート分析方法を解説!
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1つの時間足を見るだけでは、チャートを精度高く読み解く事は出来ません。
複数の時間足での分析を重ね合わせる事で、勝つ可能性は飛躍的に上がります。
世の中にはフラクタル構造を有しているものが意外と沢山あり、チャートも例外ではありません。
チャートのフラクタル構造を理解する事は、勝敗に大きく影響する事になるでしょう。
今回は、FXにおけるフラクタル構造について解説していきます。
フラクタル構造とは?
フラクタル構造は、「ある一部分を切り取って見ると、全体に相似した構造になっている」という法則のことを言います。
チャートの形状だけでなく、この世界のあらゆる物にフラクタル構造は存在します。
有名なもので言えば、シダの葉は細い葉が集まって1つの葉を形成し、更に集まった葉がより大きな葉を形成しフラクタル構造となっています。
その他にも、植物や生物、人体や銀河の分布に至るまでフラクタル構造が確認されています。
フラクタルの概念は、金融分野でも研究されています。
相場をフラクタルな視点から見ることで、相場の優位性やリスク回避に役立てる事が出来ます。
相場では、1分足、5分足、15分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足などなど、様々な時間足のチャートがありますが、異なる時間足で同じようなチャート構造が確認できる事が多くあります。
長期、中期、短期を確認し、フラクタル構造を見つける事が、優位性のあるエントリーを可能にします。
フラクタル構造の代表例
エリオット波動
エリオット波動は、アメリカの経済学者ラルフ・ネルソン・エリオットによって確立された分析理論で、「相場にはパターンがあり、チャートの波動が一定のサイクルで推移していく」という理論です。
エリオット波動の基本は5つの波動を描いて推進し、3つの波動で修正されます。
エリオット波動について詳しく学びたい方は、下記記事をあわせてご覧ください。
異なる時間足でのエリオット波動が代表的なフラクタル構造の例
例えば、1時間足で形成されているエリオット波動の第3波を5分足で見てみると、その中で同じようなエリオット波動が形成されている場合が多くあります。
つまり、「上位足で上昇波形を作っていれば、下位足でも上昇波形を作っていて、上位足で下降波形を作っていれば、下位足でも下降波形を作っている」という場合が多く見られます。
このフラクタル構造を利用すれば、「上位足での上昇(下降)の第3波」と「下位足での上昇(下降)の第3波」と言う2つの根拠が重なる事で、より優位性の高いエントリーを可能にします。
フラクタル構造を確認する際に、複数の時間足を見ることになるので、必然的に、「マルチタイムフレーム(MTF)分析」も終了し、負けにくいトレードに近づくことが出来ます。
エリオット波動におけるフラクタル構造のエントリーポイント
エントリーすべきポイントの例
上位足と下位足がどちらも第3波である
第3波には、第4波による調整はあるものの、その後の第5波を全て取り切れるポテンシャルがあります。
また、第3波は推進力が強く、より短時間で利益を伸ばすことが可能です。
そのため、このタイミングで順張りエントリーをすれば、勝率の高いトレードが出来ます。
上位足と下位足で第3波という事は、長期でも短期でも強い推進力の中にいる状態なので優位性の高いトレードになるでしょう。
エントリーすべきでないポイントの例
上位足と下位足がどちらも第5波である
第5波は、エリオット波動理論においては、トレンドが終了する合図となります。
この場合は、トレンド転換、またはレンジ相場入りを示唆する流れのため、エントリーはしないのが吉です。
第5波は一見トレンド方向へ強く推進していきますが、多くの利益確定が入るタイミングであったり、ある程度トレンドが伸びきった状態でもあります。また、逆張りのエントリーが入りやすいタイミングでもあるので注意が必要です。
この様な多くの要因からエリオット第5波はトレンドの終了を示唆するのでエントリーは危険と判断します。
フラクタル構造を考慮するメリット・デメリット
メリット
環境認識の明確な根拠となる
フラクタル構造を意識する事で、常に上位足と下位足を見るクセがつきます。
上位足を見る事で長期の方向性を確認する事が出来、環境認識が明確になります。
一貫したチャート分析が可能
見るべきポイントが一貫しており、シンプルな考え方なので戦略が立てやすいです。
複雑に考えれば考えるほど迷いが生じるので注意しましょう。
デメリット
明確なエントリーポイントを探すのが難しい
上位足と下位足が一致するタイミングはそうそう多くありません。
時には、焦ってルールを破りたくなるかもしれません。
多くの時間足を使いすぎるとこのような現象に陥りがちなので、最初に見る時間足を2~3つ位に絞って、シンプルに構造を捉えるようにしましょう。
そして、フラクタルな部分が発生するまで根気よく待ちましょう。
相場は「待つ」のが仕事です。
フラクタル構造の具体的な分析方法
マルチタイムフレーム(MTF)分析を実施
監視する時間足を決め、フラクタル構造の発生状況を確認します。
長期、中期、短期の3つの時間足を使うのがシンプルでわかりやすいです。
例えばデイトレードであれば、長期を日足、中期を1時間足、短期を5分足で分析するのも良いでしょう。
自身のトレードスタイルに合わせて使う時間足を選びましょう。
チャートを見る順番は、上位足から
まずは上位足を確認し、全体の相場の流れ(大勢波動)を把握します。
その上で下位足に移行することで、トレンドに逆らわないエントリーを模索することが出来ます。
必ず上位足から分析する事が重要です。
異なる時間足でのエリオット波動・チャートパターンの出現を確認
エリオット波動のフラクタル構造は、先程説明したとおり複数の時間足での第3波を狙います。
その他「ダブルトップ」「三尊」などのチャートパターンについても、フラクタル構造が見られる場合があります。
「ダブルトップ」や「三尊」はトレンドの転換を示唆します。
異なる時間足でフラクタル構造のチャートパターンが確認された場合、それ単体で強いエントリー根拠になります。
その根拠をもとに自分に合ったトレードルールを作っていきましょう。
フラクタル構造と相性の良い分析
フィボナッチ分析
フィボナッチ数列から考えられた比率を用いた分析です。
フィボナッチは自然界や人体などのあらゆるところで存在し、この世界で最もバランスの取れた黄金比率と言われています。
フィボナッチ比率でチャートが反応する事は、過去検証でも数多く確認されています。
そして、エリオット波動のフラクタル構造を見る時にフィボナッチは非常に有効です。
最初の波動を100%とすると2波目が38.20%~61.80%、3波目が161.8%~200%、4波目が38.20%~61.80%という割合で推移する事が多いのは周知の事実です。
フィボナッチ比率によるエリオット波動の割合を理解することによって、より有利にトレードを進めることが可能になります。
ただし、相場に絶対はなく、不規則な動きをする事も多々あります。
テクニカル分析が全く機能しない相場状況もあるという事を前提にトレードを行いましょう。
チャートが想定外の動きをした場合は、必ず損切りルールを厳守しなければなりません。
フラクタル構造のまとめ
いかがでしたか?
フラクタル構造を理解する事は、チャートを俯瞰して見る事に繋がります。
チャートを俯瞰して見る意識は、間違いなく勝ち易く負けにくい手法へ自身を導いてくれるはずです。