トレンド相場とレンジ相場の見分け方、判別方法は?どちらの相場でも利益を上げる方法も解説
FXを始めると必ず出てくる「トレンド相場」と「レンジ相場」という言葉。
このように悩んでいませんか?
FXをするならば、テクニカル分析をするうえでも理解しておかなければならない項目です。
そして、この2つの相場をどう攻略するかで勝敗は大きく変わります。
今回は、トレンド相場とレンジ相場についてご紹介したいと思います。
トレンド相場とレンジ相場の見分け方
FXの相場は、トレンド相場とレンジ相場の2種類になります。
その相場の動向によって、トレード方法も異なり、レンジ相場とトレンド相場を見極めることは重要です。
トレンド相場とレンジ相場を確認してみましょう。
トレンド相場
一定の割合で上昇または下落している相場です。
レンジ相場
ボックス圏相場(株価が上にも下にも大きく動くことなく、箱の中に閉じ込められているように一定の価格帯で上下に動くこと)のことです。
ボックスの幅のことをレンジとも言うので、レンジ相場とも呼ばれています。
トレンド相場とレンジ相場を見分ける方法として代表的なものを2つ紹介します。
移動平均線を使った見極め方法
移動平均線とは、ある一定期間の価格(多くは終値)の平均を結んでできる線のことで、主にトレンドを測るインジケーターとして使われます。
移動平均線についての詳細は、下記記事で解説しています。
移動平均線には、様々な種類の平均線があります。
1つめは、その移動平均線を2本以上使用し、線の向きや角度によって相場を分析する方法です。
移動平均線がともに同じ方向で、価格も移動平均線と同じ方向に推移している場合、トレンド相場と判断できます。
これを移動平均線の「パーフェクトオーダー」といいます。
パーフェクトオーダーとは、「完璧な順番」「申し分ない順序」というような意味で、3つの短期・中期・長期の移動平均線がきれいに並んだ状態を指します。
トレンド相場が発生すると、移動平均線は上のチャートのように必ずパーフェクトオーダーになります。
パーフェクトオーダーについてもっと詳しく学びたい場合は、下記記事もご覧ください。
逆に、上図のように移動平均線が上下に交わっており為替レートの方向性もなく、一定の価格で推移している場合はレンジ相場と判断できます。
ボリンジャーバンドを使用した見極め方法
ボリンジャーバンドは移動平均を表す線と、その上下に値動きの幅を示す線を加えた指標で”価格の大半がこのバンドの中に収まる”という統計学を応用したテクニカル指標のひとつです。
2つめは、ボリンジャーバンドの収縮と拡大によって相場を分析する方法です。
上図のようにボリンジャーバンドがエクスパンション(拡大)し、一方方向に価格が動いている場合、トレンド相場と判断できます。
一方、上図のようにボリンジャーバンドがスクイーズ(収縮)し、為替レートが一定の価格で推移している場合、レンジ相場と判断できます。
マルチタイムフレーム分析を取り入れる
「マルチタイムフレーム分析」という方法を使えば、おおまかな相場の方向性を確認することができます。
マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足を用いてチャート分析をおこなう分析手法のことです。
複数の時間足を用いることで、より正確に相場の状況を判断することが可能になります。
もう少し簡単に説明すると、複数の時間足の確認と現在の相場環境を把握して、エントリーポイントを割り出す分析手法です。
1つの時間足のみでトレンド相場・レンジ相場を判別しても、別の時間足ではそれ以外の結果になることがよくあります。
そうすると、トレードをしても勝率が落ちますよね。
1つの時間足のみでトレードする場合は、スキャルピングなど短い時間でのトレードを心がけましょう。
逆に、長期足と相場が一致している場合は、デイトレード以上の長い時間でのトレンドフォロー手法(順張り)をすると勝率や利益幅を伸ばせます。
トレンド相場とは
先ほど、少し触れましたがトレンド相場についてもう少し詳しく説明します。
トレンド相場とは、為替相場の大きな流れのことを指し、上昇・下降のどちらかに勢いのある相場環境のことです。
トレンド相場には、上昇トレンド・下降トレンドがあります。
上昇トレンド
長いスパンで上昇を続けている状態のことをいいます。
下降トレンド
長いスパンで下降を続けている状態のことをいいます。
為替相場は一度ある方向に動き出すと、しばらくはその方向に動き続けるという特性があるため、トレンドを把握して、その流れに逆らわないトレードを心掛けることが大切です。
これを裏付けるのがダウ理論です。
ダウ理論
ダウ理論とは、テクニカル分析の父と呼ばれるチャールズ・ダウ氏が提唱した、株式や為替の市場での値動きを評価するための理論です。
ダウ理論でのトレンドの条件
- 高値と安値が切り上がっていれば「上昇トレンド」
- 高値と安値が切り下がっていれば「下降トレンド」
ダウ理論では、価格変動が1年~数年間継続する「主要トレンド」、3週~3カ月間継続する「二次トレンド」、3週間未満の「小トレンド」の3つに分類されています。
ダウ理論とトレンド相場は相互補完関係にあり、FXでは短期・中期・長期といったマルチタイムフレーム(MTF)分析の考え方に類似しています。
トレンド相場でのトレード基本戦略
トレンド相場では、どんな戦略を取るべきでしょうか。
詳しく解説していきます。
押し目買い・戻り売り
基本戦略としては、押し目買い・戻り売りをしていくことが有効です。
上昇トレンド中の一時的な調整のことを”押し目”と言います。
この押し目で、買いエントリーする手法のことを、「押し目買い」と言います。
この場合、相場はトレンド ⇒ 調整(押し目) ⇒ トレンド ⇒ 調整(押し目)と波を描きながら進んでいきます。
逆に、下降トレンド中の一時的な調整のことを”戻り”と言います。
この戻りで、売りエントリーする手法のことを、「戻り売り」と言います。
この場合、相場はトレンド ⇒ 調整(戻り) ⇒ トレンド ⇒ 調整(戻り)と波を描きながら進んでいきます。
これを意識するだけで、勝率やリスクリワードを伸ばすことができます。
押し目買い・戻り売りを見るチャートパターン、「エリオット波動」
押し目買い・戻り売りのタイミングを判別する方法の1つとして挙げられる有効な手段は、エリオット波動理論を理解することです。
エリオット波動とは、多くのトレーダーが相場の方向性を予測するために利用する分析方法の1つで、「推進波(1~5波)」と「修正波(a~c波)」によって構成される、波動サイクルを説明している理論のことです。
エリオット波動については、下記で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
レンジ相場とは
トレンド相場と同様に、レンジ相場についてもう少し詳しく説明します。
レンジ相場はボックス圏相場とも呼ばれ、一定の変動幅の中で、価格が上がったり下がったりを何度も繰り返し、相場に大きな流れ(トレンド)がない状態の相場を指します。
高値や安値の切り上げ・切り下げが不規則で方向感が見出しにくく、相場の行方を決定する材料が乏しいときや相場の先行きが不透明なときは、こうした状況になりやすいです。
大きな値動きも無いので、利益を上げづらい相場環境と言えるでしょう。
レンジ相場には、ペナント型(三角持ち合い)とフラッグ型(平行チャネルレンジ)があります。
コンティニュエーションパターンというトレンドが継続していく際によく見られるチャートパターンになります。
ペナント型(三角持ち合い)
まず、ペナント型ですが、上昇・下降ともに高値が切り下がり、安値が切り上がっている状態です。
上下のトレンドラインに挟まれながら、変動する値幅が収縮してくることが特徴です。
また、上下どちらかが水平線の場合もあり、水平線になっている方向にブレイクしやすい傾向があります。
フラッグ型(平行チャネルレンジ)
フラッグ型には上昇フラッグと下降フラッグの2つがあります。
上下どちらかの方向に、緩やかに傾いた平行線の間に挟まれながら為替レートが推移している状態です。
上昇トレンドの最中に発生しているのが上昇フラッグで、逆に下降トレンドの最中に発生しているのが下降フラッグになります。
あくまでジリジリとしていて、弱い動きで強い方向感が出ていないレンジの状態になっています。
ですが、トレンドが継続するときに現れやすいチャートパターンの1つなので、トレンド相場とのハイブリッド的な相場とも言えるでしょう。
レンジ相場でのトレード基本戦略
初心者は、値幅が小さく難易度の高いレンジ相場でのトレードは避けた方がいいでしょう。
いつ、そのレンジを抜けるかがわからないため、多くの初心者がそこで収益を悪化させます。
レンジ相場は静観し、レンジブレイクを狙う
基本戦略は、水平線を使ったブレイクアウト手法をおすすめします。
まず、レンジ相場はトレンド相場や大きな波ができるために必要な充電期間だと思っておいてください。
レンジ相場の上限と下限付近には、新規の売買注文やポジションを保有中の投資家の損切り注文が入っています。
そして、レンジ相場が長引くにつれ、その注文が溜まっていく傾向にあります。
そうなると、上下どちらかに抜けるときには、それらの注文を巻き込んで大きな上昇・下落が起きやすくなりますよね。
これを狙ってトレードするのが、ブレイクアウト手法です。
レンジ相場のブレイクアウト後は、ブレイクした上限または下限まで戻ってくることがあります。
この現象を「サポレジ転換(レジサポ転換)」と言います。
もう少し詳しく説明すると、サポレジ転換とは、今までサポートラインとして機能していたラインをブレイクすると、そのサポートラインがレジスタンスラインに変わることを指します。
レジサポ転換とは、今までレジスタンスラインとして機能していたラインをブレイクすると、そのレジスタンスラインがサポートラインに変わることを指します。
ブレイクアウトからの戻りを待って、その後の上昇・下降を狙うと、勝率も高くリスクリワードも良いトレードができます。
ブレイクアウト手法については、下記記事で詳細をまとめています。
トレンド相場とレンジ相場のまとめ
いかがでしたか?
トレンド相場とレンジ相場、それぞれの特徴を理解頂けたでしょうか。
戦略方法も時と場合によって変えなければなりません。
初めから難しいことをせず、基本の戦略から始めて利益を上げていきましょう。